デュアルスタンバイ(DSDS)とデュアルアクティブ(DSDA)の違いまとめ

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このページでは、デュアルSIMスマホのシングルスタンバイ(DSSS)とデュアルスタンバイ(DSDS)、デュアルアクティブ(DSDA)の違いについてまとめています。


デュアルSIMとは?

デュアルスタンバイの前に、まずはデュアルSIMについて触れておきます。

デュアルSIMとは、端末にSIMを2枚挿せる機能を意味します。

デュアルSIMのスマホは日本でもSIMフリーで多く発売されており、ASUSやHUAWEIといった中国・台湾メーカーでよく採用されています。なお、ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアではデュアルSIM端末は1台も販売されていません。

こちらの写真はHUAWEI P9liteのSIMスロット(SIMを挿す場所)ですが、このように2枚のSIMを同時に入れることができます。
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SIMの置き方(挿し方)は、端末によって様々です。HUAWEI P9liteのようにSIMトレーに載せて端末に差し込むタイプもあれば、端末に直接SIMを置くタイプものもあります。


デュアルSIMの種類と特徴・違い

次に、デュアルSIMの種類とそれぞれの特徴、違いについてです。

デュアルSIMには、3つの種類があります。

デュアルSIMの種類特徴
シングルスタンバイ
(DSSS)
・2枚のSIMを同時に待ち受けできない。
・使いたいSIMにその都度手動で切り替える必要あり。
デュアルスタンバイ
(DSDS)
・2枚のSIMを同時に待ち受けできる。
・手動で切り替える必要はないが、片方のSIMで通話中はもう片方のSIMで通信できない。
デュアルアクティブ
(DSDA)
・2枚のSIMを同時に待ち受けできる。
・手動で切り替える必要はなく、片方のSIMで通話中でももう片方のSIMで通信できる。

上記の通りデュアルSIMには3つの種類があり、それぞれでできることが異なります。上から順に解説していきます。


シングルスタンバイ(DSSS)とは?SIMの手動切り替えが必須

シングルスタンバイは、「DSSS(Dual SIM Single Standby)」とも表現されます。シングルスタンバイはSIMを2枚挿すことはできるものの、どちらも待ち受け状態で利用することができません。

シングルスタンバイの端末の場合、片方が使える状態の時はもう片方はアンテナも立たず×になります。
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そのため、アンテナが立っている方にデータ通信専用のSIMを、アンテナが立っていない方に音声通話SIMを入れている場合、音声通話SIMに電話がかかってきても着信できません。相手には圏外のアナウンスが流れます。

×になっている方のSIMを使いたい場合は、設定から利用するSIMを手動で切り替える必要があります。
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シングルスタンバイはこのような仕様のため、使い勝手が良いとは決していえません。


デュアルスタンバイ(DSDS)とは?同時待ち受けが可能だが通話中に通信はできない

デュアルスタンバイは「DSDS(Dual SIM Dual Standby)」とも表現されます。デュアルスタンバイは、2枚のSIMを同時に待ち受けることができます。そのため、シングルスタンバイ端末のように片方のアンテナが×にならずどちらもアンテナが立ちます。
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シングルスタンバイと違い、片方のSIMでインターネットしている最中に電話を着信し、通話することももちろんできます。

ただし、デュアルスタンバイにも注意点があります。それは、通話しながらデータ通信できないという点です。

正確には、電話がかかってきた時点で、電話がかかってきていない方のSIMでは通信ができなくなります。

例えば、通話中にメールやLINEなどのメッセージが届いたとしても、通話終了後にしか受信しません。


デュアルアクティブ(DSDA)とは?通話しながらデータ通信も可能

デュアルアクティブは「DSDA(Dual SIM Dual Active)」とも表現されます。デュアルアクティブは、片方のSIMでデータ通信時にもう片方のSIMが電話着信した場合でも、データ通信はそのまま利用できます。

通話中もそのままデータ通信できるので、通話中にメールやLINEなどのメッセージを受信できるのはもちろん、スピーカーで通話しながらブラウザを開いて調べ物をしたりマップで目的地を検索するといったこともできます。

デュアルアクティブは、デュアルスタンバイのデメリットがすべて解消された完璧な状態といえます。


デュアルスタンバイ・デュアルアクティブは3Gと4GLTEが同時待ち受けできないと日本国内では意味がない

日本で販売されているデュアルSIMスマホで、デュアルアクティブに対応する機種はありません。ですが、実はその多くがデュアルスタンバイには対応しています。

ところが、日本国内でSIMを2枚挿しても片方しか使うことができないのがほとんどです。この原因は、同時待ち受けできるのが3Gと4Gではなく3G(4G)と2Gに限られているためです。

現在、日本で使われている通信の規格は3Gと4Gのみで、2Gは使われていません。ですが、現在日本の市場に出回っているデュアルSIMスマホのほとんどは、片方に3Gまたは4GのSIMを挿すともう片方は2GのSIMしか使えない仕様です。

そのため、デュアルスタンバイに対応したスマホでも日本では片方しか使えず、実質的にはシングルスタンバイとなってしまいます。

日本でデュアルスタンバイを利用するには、両方のSIMが3Gまたは4Gでスタンバイできる端末を選ぶようにしましょう。

なお、日本で発売されているSIMフリースマホの中で両方のSIMが3G+4Gでデュアルスタンバイに対応している機種は、Moto G4 PlusをはじめZenFone3など増えてきています。
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さらに、SIMフリーのXperia X Performanceも3G+4Gのデュアルスタンバイに対応しています。

上記3機種を含む、デュアルスタンバイに対応しているSIMフリースマホの一覧と比較はこちらにまとめています。
デュアルSIMデュアルスタンバイ(同時待ち受け)SIMフリースマホまとめ【DSDS】

最近のデュアルスタンバイ端末の発売ラッシュを見ると、今後も3G+4Gのデュアルスタンバイ仕様の端末は日本でも続々と発売されると思われます。


デュアルスタンバイ・デュアルアクティブのメリット

最後に、デュアルスタンバイとデュアルアクティブのメリットと、どのような使い方が最適かについてまとめます。

格安SIMの高い通話料金をキャリアの音声通話SIMでおぎなえる

日本で使える3Gまたは4Gのデュアルスタンバイやデュアルアクティブの端末を希望している人の多くは、ドコモやau、ソフトバンクといったキャリアのSIMと格安SIMを同時に使いたいと思っているのではないでしょうか。

格安SIMはデータ通信の月額料金をかなり安く抑えることはできますが、格安SIMの音声通話サービスにはキャリアのような完全なかけ放題がないため、通話をたくさんすると格安SIMの方がかえって高くなってしまう恐れもあります。

そこで、日本国内でもデュアルスタンバイやデュアルアクティブ対応の端末を選ぶことで、例えば片方にドコモのカケホーダイプランのSIMを挿して、もう片方に格安SIMの安い大容量プランを挿せば、キャリアよりも安い月額料金で通話だけでなくデータ通信もたくさん使えるようになります。

ドコモSIMのみでデュアルスタンバイやデュアルアクティブ対応の端末を利用する場合にかかる最安の料金は以下の通りです。

●カケホーダイライト(5分以内の通話は回数制限なくかけ放題)+高速通信容量2GB
1,700円(カケホーダイライト)+300円(spモード)+5,000円(5GB データMパック)=7,000円

●カケホーダイ(24時間かけ放題)+高速通信容量2GB
2,700円(カケホーダイ)+300円(spモード)+3,500円(2GB データSパック)=6,500円

カケホーダイライトはデータSパックをセットで契約できないため、データMパックで料金を算出しています。


ドコモSIM+格安SIMでZenFone3を利用する場合にかかる最安の料金は以下の通り。なお、格安SIMの3GBプランの料金は主要格安SIMで最安のDTI SIMの料金(SMS付きデータ専用SIM)の990円で計算しています。

●カケホーダイライト(5分以内の通話は回数制限なくかけ放題)+高速通信容量3GB
1,700円(カケホーダイライト)+3,500円(データSパック)+300円(spモード)+990円(3GB)=6,490円

●カケホーダイ(24時間かけ放題)+高速通信容量3GB
2,700円(カケホーダイ)+300円(spモード)+990円(3GB)=3,990円

格安SIMで高速通信容量が1GB多い3GBを選んでも、カケホーダイならひと月約2,500円節約することができます。

また、上記のドコモSIM+格安SIMの計算ではドコモメールを使う前提でspモードも契約していますが、ドコモメールが不要であればspモードも不要なのでさらに300円節約することができます。

1年で計算しても30,000円程度節約できるのでメリットは大きいですね。


なお、ドコモの「カケホーダイ」はパケットパックの同時加入は必須ではありませんが、5分以内通話がかけ放題の「カケホーダイライト」はデータSパック(小容量)、データMパック(標準)、ウルトラデータLパック、ウルトラデータLLパック、シェアパック5(小容量)、シェアパック10(小容量)、シェアパック15(標準)、ウルトラシェアパック50、ウルトラシェアパック100、ビジネスシェアパック5~3000、ウルトラビジネスシェアパック50、ウルトラビジネスシェアパック100への加入が必須となります。

そのため、この中で最も月額料金が安いデータSパック(小容量)に加入しても、カケホーダイライトは上記の試算の通り安くならないのでメリットがありません。

デュアルSIMの片方にドコモのかけ放題プランを契約したSIMを挿す場合は、「カケホーダイライト」ではなく24時間かけ放題の「カケホーダイ」を選びましょう。

また、格安SIMの中には、ドコモの「カケホーダイライト」と同じように5分以内の通話がかけ放題のプランを提供しているものもあります。

さらに、最近ではOCNモバイルONEが月額850円で10分以内のかけ放題になるサービスの提供を開始しました。

しかも、格安SIMの方はパケット料金が安く済みます。パケットパック加入が必須の「カケホーダイライト」よりも、5分以内がかけ放題のプランを提供している格安SIMを契約した方が、SIMが1枚で済むため管理が楽で毎月の料金もかなり安く抑えることができます。

1回の通話が5分もしくは10以内でおさまる通話が多い場合は、キャリアのかけ放題SIMと格安SIMのデータ通信SIMの組み合わせよりもおすすめです。

格安SIMのかけ放題プランの比較はこちらにまとめています。
格安SIM MVNOでかけ放題(通話定額)がある16社を比較
なおどの格安SIMにするかまだ決まっていない場合は、こちらのページでドコモ回線を使った格安SIMを徹底比較しているので参考にしてみてください。
格安SIMカード MVNO docomo系比較・おすすめランキング【8月29日】

ガラケーとスマホの2台持ちを1つにまとめることができる

電話をよくする人の中には、電話専用でキャリアのかけ放題プランを契約したSIMをガラケーに挿して使い、インターネット専用のSIMをスマホに挿して使っているという人もいるかもしれません。

これは、もともとスマホにはSIMを1枚しか挿せないのが当たり前だったことと、前述のとおりSIMを2枚挿せる端末も日本では通話とインターネットを同時に利用できる端末がほぼなかったために、仕方なく2台持ちするしかありませんでした。

ですが、デュアルスタンバイやデュアルアクティブの端末は、現在ガラケーで使っているかけ放題のSIMと格安SIMなどのデータ通信専用SIMを同時に利用できるため、2台持ちから解放され1台にまとめることができるのも大きなメリットです。


プライベート用と仕事用の電話が1台にまとめられる

デュアルスタンバイ(デュアルアクティブ)端末は、プライベート用とは別に仕事用の電話を使っている人にもおすすめです。

プライベート用と仕事用それぞれに端末を用意し、相手によって電話を使い分ける必要があるため面倒だと感じる人もいるのではないでしょうか。

ですが、デュアルスタンバイやデュアルアクティブ対応の端末であれば、プライベート用のSIMと仕事用のSIMを1台にまとめてそれぞれ着信や発信することができます。


格安SIMを2枚挿して安く大容量のデータ通信が可能

デュアルスタンバイ(デュアルアクティブ)端末は、格安SIMでできるだけ安く大量に通信したい人にもおすすめです。

例えば、DMMモバイルで高速通信容量を20GB使いたい場合、20GBプランをそのまま契約するよりも10GBプランを2回線契約したほうが安くなります。
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これはデュアルSIMスロット搭載端末ならシングルスタンバイでも利用できますが、デュアルスタンバイ(デュアルアクティブ)な端末でももちろん利用できるので紹介しました。


デュアルスタンバイ・デュアルアクティブのデメリット

デュアルSIMでデュアルスタンバイのデメリットは、現時点では特にありません。

あえて挙げるとすれば、デュアルスタンバイ端末が日本国内でまだほとんど発売されておらず、デュアルアクティブ端末は1機種も存在しない点でしょうか。

デメリットが見つかればここに追記します。


まとめ

日本国内で利用できる3G+4Gのデュアルスタンバイ機種は、最近徐々に増えてきています。

今後は、さらに多くのメーカーからデュアルスタンバイ端末が登場することになり、国内でもデュアルスタンバイが常識になりそうです。

さらに、デュアルスタンバイだけでなくデュアルアクティブに対応した端末の登場も楽しみに待ちたいですね。

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