パソコンやスマートフォン、タブレットといったネットに接続できる端末を持つ世帯に対して納税義務を課す案だけでなく、テレビの有無にかかわらず全世帯から徴収する案も浮上しているとのことです。
全世帯からNHK受信料を徴収する目的と背景
NHKは、2015年度からテレビ番組のネットでの同時配信を試験的に始めるなど、2020年の東京オリンピックに向けてネットを活用したサービスを展開していく意向です。総務省は、最近はテレビを見ずにインターネット端末で情報を得る若者が増えてきているため、現行のテレビの無によって受信料を払うか払わないかが決まる受信料制度自体が時代に合わなくなってきたと判断したとのことです。
また、現行の放送法は地上放送の場合で月額1,260円の受信料を課しています。その一方で、テレビがなくてもパソコンやスマートフォンなどがあればNHKがネットで無料で提供しているニュース映像などを見ることができるという状況です。
NHKのネット放送にかかる経費がテレビを持つ世代の受信料からまかなわれており、それに対して不公平という意見が出ていたことも今回の受信料徴収の基準を見直す要因になっているようです。
NHK受信料徴収方法の変更の流れ
総務省は、2015年中をめどに大学教授らをメンバーとする有識者会議を立ち上げ、民放テレビ局や消費者団体など利害関係者からの意見も集めます。総務省だけでなくNHKも近く独自に検討を始め、自社の検討結果を総務省の有識者会議に報告する見通しです。
早ければ2017年の通常国会に放送法の改正案を提出し、2018年にも施行される可能性があるとのことです。
NHK受信料徴収方法変更に関する問題点
すでに受信料を支払っている世帯の負担はそれほど変わらないとみられますが、現在支払っていない世帯にとっては負担が生じる可能性があります。NHKによると、現在テレビのある世帯のうち25%が受信料を支払っていないことから、徴収方法も大きな課題となります。
NHKは、平成14年のソルトレークオリンピックで300万円の裏金づくりをしたことなど不正経理に関するマイナスなイメージを持っている人もいるかと思います。
個人的には、理由に納得でき徴収料が大多数の人にとって正しく運用されるならば徴収されても問題はないです。
NHK受信料の問題は、徴収方法だけでなく国民にとって目に見える形でNHK自体の改革も同時に行っていかないとなかなか解消しないと思います。
どちらにしろ、日本においては現在スマートフォンやタブレットがある世帯ばかりだと思うので、今後の総務省とNHKの動向に注目する必要がありますね。
source:日本経済新聞