自分の欲しい端末が日本で発売されていないため、海外から取り寄せようと思っている人は参考にしてみてください。
目次
海外の通販サイトで個人使用を目的にスマホを購入した場合は関税はかからない
商品を海外から輸入する際にまず心配になるのが、「関税」という人も多いのではないでしょうか。関税とは、外国の商品の輸入時に商品の代金とは別にかかる税金です。関税は国外の安い商品でも税金を上乗せして商品トータルでかかるコストを上げ、価格が高い国内の商品でも売れるようにすることを目的としています。
ですが、日本に輸入する際の関税はすべての商品に適用されるわけではなく、関税がかからない商品もあります。
そしてその中に、海外の通販サイトから購入したスマホも含まれます。
税関の公式サイトにある輸入品ごとの関税率一覧の中の、番号(H.S.code)8517.12「携帯回線網用その他の無線回線網用の電話」が海外のスマホのことで、「無税」となっています。
輸入統計品目表(実行関税率表)実行関税率表(2016年1月版)
海外の通販サイトでスマホを購入した場合は輸入消費税がかかる
海外の通販サイトでスマホを購入した場合、関税はかからないものの輸入消費税がかかります。輸入消費税は、現在の日本国内の消費税率と同じ8%がかかります。
ですが、輸入消費税の計算方法は個人使用目的と販売目的で異なったり、輸入消費税がかからない場合があるなど特殊な部分もあるので、以下にまとめておきます。
端末代金+送料に対して輸入消費税がかかる
まず、輸入消費税はスマホ本体の価格と日本までの送料を足した金額に対して8%かかってきます。例えば、日本から海外のスマホを気軽に購入できることで高い評価を得ているEXPANSYS(エクスパンシス)で、梱包も含めて500グラム以内でおさまるスマホを30,000円で購入した場合は、
30,000円 + 500グラム以内の送料1,400円 =31,400円が対象になります。
なお、輸入消費税は個人使用を目的とした場合と日本国内で販売することを目的とした場合で異なります。詳しくは次をご覧ください。
【計算方法】個人使用を目的としたスマホの個人輸入は特例で輸入消費税が安くなる
海外のスマホを個人で使うことを目的として購入して輸入する場合、特例が適用されて輸入消費税が安くなります。詳しくは税関の公式サイトに掲載されています。
少額輸入貨物の簡易税率 : 税関 Japan Customs
上記ページの「少額輸入貨物に対する簡易税率表(関税定率法第3条の3関係)」の注意書きの「2」に記載されていますが、具体的には商品代金に60%(0.6)をかけた金額に対して輸入消費税がかかります
個人の方がご自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額となります。その他の貨物の課税価格は、商品の価格に運送費および保険料を足した金額になります。
先ほど例に挙げた、EXPANSYSで購入した30,000円 + 送料1,400円 = 31,400円で、輸入消費税がいくらかかるか計算してみます。
18,840円 × 8% = 1,507.20円(計算上の輸入消費税)
計算結果としては輸入消費税は1,507.20円になりますが、100円未満は切り捨てのため実際にかかる輸入消費税は1,500円となります。
なお、輸入消費税の8%は厳密には消費税6.3%、地方税1.7%という内訳になっていますが、ここでは計算の手間を省くために8%で計算しています。
輸入消費税の計算方法は税関の公式サイトにも掲載されているので、参考にしてみるといいでしょう。
1111 関税、消費税等の税額計算方法(カスタムスアンサー)
【計算方法】日本国内で販売することを目的としたスマホの輸入は輸入消費税は安くならない
個人で使用するためにスマホを輸入する場合は、上記の通り輸入消費税が安くなる特例が適用されますが、日本で販売することを目的にスマホを輸入する場合はこの特例は適用されません。販売目的でスマホを輸入した場合にかかる輸入消費税を、先ほどの例で計算してみます。
100円未満は切り捨てになるので、支払う輸入消費税は2,500円となります。個人使用目的と1,000円も差がありますね。
個人使用目的と販売目的の判断基準は?
ここまでは個人使用目的と販売目的ごとの輸入消費税の計算方法についてみてきました。それでは、個人使用目的と販売目的はどう判断するのでしょうか?
個人使用目的については、税関の公式サイトで説明されています。
3001 個人輸入とは(カスタムスアンサー)
個人輸入についてはっきりとした定義はありませんが、一般的には「外国の製品を個人で使用することを目的として、海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから、個人が直接購入すること」といわれています。
税関によると、個人使用目的で購入=個人輸入という認識ではあるものの、個人輸入の定義は明確に決まっているわけではないことが分かります。
少し調べてみたところ、同じ商品を一度でまとめて購入した場合などに販売目的の輸入として判断され、関税と輸入消費税が100%でかかった例もあるようです。
知人・友人分も含めて複数台のスマホをまとめて輸入するなど、「個人で使う」という目的として不自然になると厳しいので、一度に輸入する端末の台数はなるべく少ないほうがいいでしょう。
課税価格が1万円以下のスマホは輸入消費税もかからない
課税価格が10,000円以下のスマホを輸入した場合、関税はもちろん輸入消費税もかからないという特例もあります。詳しくは、税関の公式サイトに記載されています。
少額輸入貨物の簡易税率
課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則として、関税、消費税および地方消費税は免除されます。ただし、酒税およびたばこ税・たばこ特別消費税は免除になりません。また、革製のバッグ、パンスト・タイツ、手袋・履物、スキー靴、ニット製衣類等は個人的な使用に供されるギフトとして居住者に贈られたものである場合を除き、課税価格が1万円以下であっても関税等は免除されません。
海外の通販サイトで個人使用を目的として購入する場合、端末価格+送料が16,666円以内であれば10,000円以内におさまります。
輸入消費税の支払い方法は商品を受け取る時や後日郵送で請求書が届くなどショップ(運送業者)によってバラバラ
輸入消費税の計算方法は上記のとおりですが、スマホを海外から輸入した場合、輸入消費税はいつ支払えばいいのでしょうか?答えは、運送業者によって異なります。
ヤマト運輸はその場で現金を手渡し
海外ショップで購入したスマホの運送業者がヤマト運輸の場合、スマホが自宅に届けられた際に輸入消費税をヤマト運輸のドライバーに支払う必要があります。支払い方法は現金のみなので、あらかじめ計算して用意しておきましょう。
FedExは後日請求書が届く
海外の通販サイトでスマホを購入する場合、ヤマト運輸とならんでよく利用される運送業者がFedExです。FedExは、アメリカに本社を置く流通サービス最大手の会社で、日本にもカスタマーサービスがあります。
FedExがスマホを届けた場合、輸入消費税をその場でドライバーに支払いません。
荷物を受け取った日から数日後に、自宅に送られてくる支払い伝票で輸入消費税を支払う必要があります。
海外の通販サイトでスマホを購入する際に利用される運送業者はヤマト運輸かFedExが多いですが、上記のとおり輸入消費税の支払い方法は全く違うので注意しましょう。
通販サイトによっては端末価格に輸入消費税が含まれている場合もある
海外の通販サイトでスマホを購入し輸入する場合、基本的には輸入消費税を別に支払う必要があります。ですが、一部の通販サイトでは端末価格に輸入消費税も含まれている場合もあります。
その代表的な例がETOREN(イートレン)です。
ETORENで購入するスマホには、前述のとおり端末価格に輸入消費税も含まれているため別途追加でかかる費用が一切ありません。
また、海外スマホの通販ショップで有名なEXPANSYSと価格を比較しても、価格が特に高いということもありません。
輸入消費税の計算が面倒な場合などは、ETORENを利用するといいでしょう。
イートレン.com
まとめ
海外通販サイトを利用してスマホを購入する場合、関税はかからないものの一部の例外を除いて輸入消費税が8%かかってきます。また、個人使用か販売が目的かによって課税される輸入消費税が異なる点には注意が必要です。
端末価格に輸入消費税も含まれている場合は、輸入消費税を計算したり後日支払ったりする必要はありませんが、端末価格に含まれていない場合は事前に計算しておいて追加でいくらかかるのかまで把握しておきましょう。
海外通販でスマホを個人輸入する際の輸入消費税と関税についてのまとめは以上です。