今回は、Android(アンドロイド)のCPU Scaling Governorについてです。
Governorとは、Android(アンドロイド)のCPUの制御(調節)方法です。
GovernorはCPUの負荷状況などに応じて、動作周波数をどのような値にするかを管理します。
Android(アンドロイド)のGovernorにはいくつかの種類があって、それぞれに特徴があります。
その特徴を元に自分にぴったりのGovernorに変更することで、Android(アンドロイド)端末をより快適に、自分仕様で使う事ができます。
Governorの変更は、SetCPU for Root UsersなどのCPUを管理するアプリから変更できます。
またその中には、特定の端末専用に作られているアプリもあります。
カスタムROMのROM設定の中にCPUを管理する項目があるものもありますね。
Galaxy Nexus(SC-04D)のカスタムROMの中では、私が今メインで使っているAOKP(Android Open Kang Project)も設定⇒ROM Control⇒Performance⇒Scaling governorから変更できます。
上の画像は、カスタムカーネルのGLaDOS V1.9で選べるGovernorです。
カーネルによって、選べるGovernorが違ったり、カーネル作者オリジナルのGovernorが追加されていることもあります。
GLaDOSでは、「wheatley」がオリジナルのGovernorですね。
今回はよく使われているGovernorのそれぞれの特徴を紹介します。
これを参考に、自分に合ったGovernorに変更してみてください。
Governorを変更する為には、Android(アンドロイド)端末のRoot化が前提となります。
※注意事項※
root化・カスタムrom・カスタムカーネル・各種Mod等の導入によって、キャリアとメーカーの補償は一切きかなくなります。
また、作業中にデータが消えたり、Galaxy Nexus(SC-04D)が起動しなくなってしまったとしても、当方では一切責任は負えません。
全て自己責任で作業を行ってください。
以下に、各Governorの特徴を紹介しておきます。
各Governorの解釈等に間違いがあれば、コメント欄からご指摘ください。
ondemandは、デフォルトのCPU Scaling Governorとして設定されることが多いGovernorです。
ondemandの特徴は、一定の負荷がかかると一気にCPUクロックを必要な数値まで上げます。
負荷が下がった場合は、徐々にCPUクロックを下げます。
interactiveは、機能的にはondemandと似ています。
ondemandとの違いは、interactiveの方がよりレスポンス(反応)を含めた操作性を重視している点です。
conservativeも、機能的にはondemandと似ています。
ondemandとの違いは、ondemandが一気にクロックアップするのに対して、conservativeは段階的に(徐々に)クロックアップする点です。
結果、conservativeはレスポンスはondemandよりも劣りますが、電池の持ちはよくなります。
performanceは、常にCPUを最大クロック数で動かします。
最大クロック数と最小クロック数を同じにしてondemandで運用すれば理論上はperformanceと同じになりますが、performanceの方がCPU負荷のスキャンをしない分効率的にCPUを動かすことができます。
常に最大クロック運用で電池消費が激しいため、実用的ではありません。
powersaveは、常にCPUを最小クロック数で動かします。
performanceの逆バージョンですね。
常に最小クロック運用で電池の持ちはいいですが、レスポンス等を含めた操作性が悪くなるので、これも実用的ではありません。
userspaceは手動でクロック数を設定するgovernorです。
スマートフォンで使われることはあまりなく、ベストのパフォーマンスを引き出したいのであればuserspaceは使わない方がいいとのことです。
smartassは、interactiveを元に作られたGovernorです。
スクリーンオフ(スリープ)時にクロック数を最小にするように設定されています。
hotplugは、ondemandと似た機能を持ったマルチコア専用(マルチコアなので、今後登場するクアッドコア以上でも使えるはずです)のGovernorです。
ondemandとの違いは、より正確にCPU負荷を測定してクロックダウンできる点です。
またhotplugの特徴として、複数あるコアのうちCPU使用率が低い時に使っていないCPUコアの方を止めることで、省電力化を図っています。
以上が基本的なGovernorの特徴です。
上記以外にもカスタムROMやカーネルごとにさまざまなGovernorがありますので、実際に試して自分に合ったGovernorを探してみる事をおすすめします。
各Governorのレスポンスについて、良い順から挙げると、
performance
↓
interactive、smartass
↓
ondemand、hotplug
↓
conservative
↓
powersave
となりそうですね。
各Governorの電池の持ちについて、良い順から挙げると、
powersave
↓
conservative
↓
hotplug
↓
ondemand
↓
smartass
↓
interactive
↓
performance
となりそうです。
基本的に、レスポンス等を重視すれば電池の持ちは悪くなります。
逆に電池の持ちを重視すればレスポンスは悪くなります。
どちらにせよ、そのバランスをどこにするかをユーザーが決められるのは便利ですね。