なお、今回の特徴は主に私が利用しているNTTドコモのXiのプランや通話料と比較したまとめになっています。
まず楽天でんわの前に、docomo Xiの料金プランと通話料についてまとめておきます。
docomo Xiの料金プランは、タイプXiとタイプXiにねんがあります。
タイプXiは、契約更新月以外に解約すると9,975円の解約金がかかるといった縛りのない料金プランです。
縛りがない分、月々の基本料金は1,560円と割高になります。通話料は30秒で21円です。
タイプXiにねんは、2年契約(契約更新月以外に解約で9,975円の支払いが必要)を条件に月々の基本料金が半額の780円になります。通話料は30秒で21円です。
また、タイプXiにねんにXiトーク24を追加で契約することで、docomo間の通話料は24時間無料になります。
まとめると、docomo Xiの料金プランはdocomo間の通話は24時間無料にすることが可能ですが、docomo以外の通話は全て30秒21円かかります。
1分で考えると42円とかなり高いので、docomo以外によく電話をかける人にとってはXiを契約するメリットが少ないです。
次に、楽天でんわの基本料金と通話料についてです。
楽天でんわの基本料金は無料です。
また、楽天でんわを利用すると、30秒当たり10.5円で通話できます。
つまり、楽天でんわを利用することでXiの通話料金の半額で通話ができるということです。
楽天でんわには、docomo Xiの通話料金の半額で通話ができるという大きな特徴がありますが、その仕組みを見ていきます。
楽天でんわを使うことで通話料金が安くなる仕組みを考える時に、「接続料」について知っておく必要があるので、まずは接続料について触れておきます。
ユーザーが電話をする際、docomoやau、Softbankといった通信事業者(固定電話も含む)は接続料と呼ばれる料金を支払っています。
例えばユーザーがdocomoからauに電話をかける場合、docomoとauのネットワークをつなぐことでdocomoユーザーはauユーザーに電話することができます。このネットワークをつなぐ際にdocomoがauに対して接続料として一定の料金を支払います。
auに接続料を支払ったdocomoは、docomoユーザーに対して接続料に上乗せした金額を通話料として請求します。
なお、2010年度から2012年度までの各社の接続料は以下の通りです。
2012年度 | 2011年度 | 2010年度 | ||||
区域内 | 区域外 | 区域内 | 区域外 | 区域内 | 区域外 | |
docomo | 0.067円/秒 (区分廃止) | 0.068円 /秒 | 0.082円 /秒 | 0.087円 /秒 | 0.105円 /秒 | |
au | 0.082円 /秒 | 0.104円 /秒 | 0.093円 /秒 | 0.166円 /秒 | 0.104円 /秒 | 0.128円 /秒 |
Softbank | 0.082円 /秒 | 0.095円 /秒 | 0.099円 /秒 | 0.116円 /秒 | 0.127円 /秒 | 0.147円 /秒 |
source:ITpro
ドコモの接続料が一番安いですね。
例えば、auの接続料はauが定める区域内であれば1秒0.082円、区域外は0.104円となっています。つまり、docomoユーザーがuユーザーに30秒電話をかけた場合、区域内であれば0.082円×30秒=2.4円の接続料がdocomoからauに支払われているということになります。
逆に、auユーザーがdocomoユーザーに30秒電話をかけた場合、auがdocomoに支払う接続料は0.067円×30秒=2.01円となります。
docomoのタイプXiにねんは30秒21円なので、auにかけた時は21円-2.4円=18.6円が利益となります。
auのLTEプランも30秒21円ですが、docomoにかけた時の利益は21円-2.01円=18.99円となります。
楽天でんわは楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズが提供するサービスですが、上の例で言えばdocomoとauの間にフュージョン・コミュニケーションズが入って中継することで、本来ならdocomoがauに支払う接続料をフュージョン・コミュニケーションズが負担します。
楽天でんわはフュージョン・コミュニケーションズが接続料にプラスして上乗せさせる金額を抑えることで、ユーザーに半額の通話料でサービスを提供することができます。
良心的なサービスですね。
またユーザーへの請求も、接続料を支払っているフュージョン・コミュニケーションズから行います。
楽天でんわは、Xiの通話料金を安く抑えられるという大きな特徴がありますが、その他にも特徴があります。
楽天でんわは、090や080で始まる現在使っている電話番号をそのまま使うことができます。
仕組みは、電話発信時に「0037-68-」を相手の番号の前に付ける(プレフィックス)ことで楽天でんわとして安い通話料金で利用できます。
相手に表示される番号は、もちろん現在の電話番号なので、電話を受けた方も安心です。
通話料を抑えるサービスとして、050 plusなどのようなパケット通信によるIP電話サービスがありますが、これらのサービスは現在使っている電話番号とは別の番号を使う必要があります。
この点をデメリットと感じる人なら、楽天でんわはこれまでの電話番号をそのまま使えるので使わない手はないでしょう。
無料で通話する手段として、LINEを使っている人も多いと思います。
LINEの無料通話は、LINEのアプリをインストールしておけばパケット通信を使って通話ができます。
LINEの他にもSkype等類似のサービスがありますが、これらのサービスはそのアプリ利用者同士の間でしか使うことができません。
楽天でんわはパケット通信ではなく電話回線を使うので、これまでと同じくフィーチャーフォンや固定電話にも電話をかけることができます。
LINEや050plusといったサービスの無料通話を使っていると、音声の遅延や途切れを体験すると思います。
これらはパケット通信による通話なので、通信環境によっては相手に自分の声が届くまで少し時間がかかったりしてしまいます。
楽天でんわは電話回線を使っているので、普通に電話している時と同じような品質の通話が可能です。
LINEや050plusなどはパケット通信で通話しますが、Xiパケ・ホーダイには通信量が一定の上限に達したら速度が極端に遅くなるという制限があります。
使う頻度が少なければ問題ありませんが、私はパケット通信の上限が常に頭の片隅にあって何となく落ち着きません。
楽天でんわはパケット通信しないので、上限を気にせず通話に集中することができます。
楽天でんわの通話料はフュージョン・コミュニケーションズに支払いますが、その通話料の1%分(例えば100円通話すれば1円)の楽天スーパーポイントがつきます。
楽天スーパーポイントは楽天市場で購入する際に使えるポイントなので、楽天市場をよく利用する人にはメリット大ですね。
楽天でんわを利用するには、事前に準備しておくことがあります。
楽天でんわを利用するには、楽天でんわの利用登録を済ませておく必要があります。
こちらのページから、利用登録できます。
なお、楽天スーパーポイントが付与されるのは利用者が楽天会員の場合のみです。楽天会員でない場合はポイントが付与されません。
また、支払い方法はクレジットです。
楽天でんわを利用するには、発信時に「0037-68-」を相手の番号の前に付ける必要があります。
この作業を手動でするのは面倒なので、「楽天でんわ」というAndroidアプリをリリースしています。
楽天でんわ -番号そのままで通話料半額-
楽天でんわアプリのインストールは必須ではありませんが、このアプリから電話をかけると自動的に「0037-68-」が相手の番号の前に付与されて発信されるので手間が省けます。
以上2点を済ませておくだけで、普段の電話と同じように発信しても通話料を半額に抑えることができます。
楽天でんわはメリットの大きいサービスですが、利用する際にはいくつか注意点もあるので、ここで挙げておきます。
重要なポイントなので何度も繰り返しますが、楽天でんわを利用するには発信時に「0037-68-」を相手の番号の前に付ける必要があります。
その作業を自動で行ってくれる楽天でんわアプリを使えば問題はありませんが、例えば電話帳に手動で「0037-68-」を追加する場合などは、入力間違いや入力漏れがないように注意しましょう。
Xiトーク24やファミリー割引を契約しておけばdocomo同士の通話(ファミリー割引の場合は同一ファミリーグループ間)は無料ですが、もし楽天でんわアプリから該当のdocomoユーザー宛に発信した場合、Xiトーク24やファミリー割引は無効になって通話料が30秒で10.5円かかってしまいます。
Xiトーク24やファミリー割引を契約している人は注意しましょう。
今回は、楽天でんわの仕組みや特徴をまとめましたが、最後の注意点に気をつけていさえすれば利用するメリットはとても大きいと思います。
また楽天でんわは、Nexus5やNexus4といったSIMフリー端末でももちろん利用できるので私も登録しました。
他事業者への通話が多い人にはメリットしかないと思うので、興味のある人は是非試してみてください。