Nexus5X/Nexus6Pのブートローダーをアンロックすることで、TWRPなどのカスタムリカバリ導入やRoot化、カスタムROMを導入することができます。今後Nexus5XやNexus6Pをカスタムするなら、今回の作業は必須となります。
目次
注意事項
ブートローダーアンロックやカスタムリカバリ導入、カスタムROMの導入によってメーカーの補償は一切きかなくなります。また、作業中にデータが消えたり端末が起動しなくなってしまったとしても、当方では一切責任は負えません。
全て自己責任で作業を行ってください。
準備しておくこと
1.Nexus5X/Nexus6Pのブートローダーをアンロックすることで、内部ストレージのデータも含めて全てのデータが消え、工場出荷状態に戻ります。内部ストレージ内のデータはPCなどにコピーしておいてください。
アプリのデータはHeliumを使ってのバックアップをおすすめします。
Heiliumの使い方は、Heliumの使い方。AndroidのアプリとアプリのデータをRoot化せずにまるごとバックアップ・復元できる必須アプリ。を参照してください。
2.Nexus5X/Nexus6PのブートローダーアンロックにはPCが必要です。
Nexus5X/Nexus6Pと接続するPCで、fastbootコマンドの実行ができるようにAndroid SDKの中のplatform-toolsフォルダををPCに入れておく必要があります。
platform-toolsフォルダの入手は、Android SDKのインストール方法(Windows8.1)と最新のplatform-toolsをダウンロードする方法。の手順で行って下さい。
3.Nexus5X/Nexus6Pの開発者向けオプションを表示させておきます。手順はNexus5X/Nexus6Pの開発者向けオプションの表示とUSBデバッグをオンにする方法。を参照してください。
4.Nexus5Xのドライバをインストールしておきます。ドライバのインストール手順はNexus5X/Nexus6Pのドライバをインストールする方法。を参照してください。

Nexus5X/Nexus6Pのブートローダーアンロック手順
ここからは、実際にNexus5X/Nexus6Pのブートローダーをアンロックしていきます。開発者向けオプションで「OEMロック解除を有効にする」にチェックを入れる
まず、Nexus5Xの開発者向けオプションからブートローダーアンロックを許可します。この手順は両端末で共通の作業です。開発者向けオプションを開き、「OEMロック解除」をオンに切り替えます。Nexus5X/Nexus6Pにセキュリティを設定している場合、そのセキュリティで解除を求められるので解除します。

「OEMロック解除の許可」と表示され、ブートローダーアンロックを許可するか尋ねてくるので「有効にする」をタップします。なお、注意文にもある通りブートローダーアンロックを許可することで、Android Lollipopから実装された端末保護機能が使えなくなる点には注意です。「OEMロック解除」がオンになれば、Nexus5X側の設定は完了です。

Nexus5X/Nexus6Pの電源を落とした後にボリュームダウンボタンと電源ボタンを同時に長押ししてブートローダーを起動し、PCとUSBケーブルでつなぎます。なお、Nexus5Xに同梱されているUSBケーブルは両端子ともUSB Type-Cとなっています。PC側がUSB Type-Cに対応していない場合、別途ケーブルを購入する必要があります。
Nexus5XをPC接続するUSBケーブルを購入。同梱品の注意点

Nexus6Pのブートローダー起動画面はこちら。

fastbootコマンドでブートローダーをアンロックする
ブートローダーを起動したNexus5XをPCと接続したら、ブートローダーをアンロックしていきます。繰り返しますが、ブートローダーをアンロックするとNexus5X内の内部ストレージも含めたすべてのデータが消去され、工場出荷状態に戻ります。必要なデータは必ずバックアップを取っておきましょう。なお、Nexus6Pのブートローダーをアンロックする手順はこれまでと若干違うため、Nexus5XとNexus6pそれぞれのブートローダーアンロック手順を紹介します。
Nexus5Xのブートローダーアンロック手順
まずはNexus5Xのブートローダーアンロック手順です。任意のフォルダ内で、Shiftキーを押しながら右クリックして「コマンド ウィンドウをここで開く」をクリックします。

コマンドプロンプトが起動するので「fastboot oem unlock」と入力してEnterキーを押します。

ブートローダーをアンロックするか尋ねてくるので、ボリュームボタンを押して「Yes」を選んだ状態にしたら電源ボタンを押してアンロックを実行します。

アンロック完了後、「DEVICE STATE」が「unlocked」と表示されればNexus5Xのブートローダーはアンロックに成功しています。「Start」が選択された状態で電源ボタンを押してNexus5Xを再起動します。

ファクトリーリセット(工場出荷状態に戻すための初期化)が始まるのでしばらく待ちます。

Android6.0からは、ブートローダーアンロックを解除すると再起動するために再度ブートローダーをロックするように忠告してきます。端末保護機能が効かなくなるなどセキュリティレベルがかなり下がるため、忠告は当然ですね。この画面で何も操作しなければ、普通に起動します。しばらく待ちましょう。

Googleロゴとともに、ブートローダーをアンロックしたことを意味する開錠された南京錠アイコンが表示されます。

あとはブートアニメーションが流れるのでしばらく待ちます。

Nexus5Xが起動し、初期設定画面になったら再度セットアップしていきます。

Nexus5Xのブートローダーアンロック方法・手順は以上です。
Nexus6Pのブートローダーアンロック手順
次に、Nexus6Pのブートローダーアンロック手順です。適当にフォルダを開き、空いた場所でShiftキーを押しながら右クリック>「コマンド ウィンドウをここで開く」をクリックします。

これまでのNexusデバイスのブートローダーをアンロックする際のコマンドは「fastboot oem unlock」でしたが、Nexus6Pでは「fastboot flashing unlock」と入力する必要があります。入力が終わったらEnterキーを押します。

fastbootコマンドが通ったら、Nexus6P側で「YES」を選ぶよう表示されます。

Nexus6Pのディスプレイが、Nexus5Xと同様にブートローダーをアンロックするかどうかを尋ねる表示に切り替わります。ボリュームボタンを押して「Yes」を選び、電源ボタンを押して決定します。

ブートローダーのアンロックが完了すると、ステータスが「UNLOCKED」に変わります。

コマンドプロンプトに「fastboot reboot」と入力してEnterキーを押し、Nexus6Pを再起動させます。

Nexus5Xと同様、Nexus6Pもブートローダーをアンロックしている間は再起動するたびにロックするよう促すメッセージが表示されます。

ブートローダーが正常にアンロックできていれば、Googleロゴの下に南京錠が開いたアイコンが表示されます。

Nexus5XとNexus6Pのブートローダーアンロック手順の違いは、コマンドが「fastboot oem unlock」か「fastboot flashing unlock」かの違いだけです。
Nexus6Pでブートローダーのアンロックができない場合の原因と対処法
Nexus6Pで「fastboot flashing unlock」と入力しても、このように表示されてアンロックできない場合があります。
この原因は、fastboot.exeを含むplatform-toolsが最新でないためです。SDK Managerからアップデートしましょう。
Android SDKがインストールされているフォルダを開き、SDK manager.exeをダブルクリックして開きます。

Android SDK Platform-toolsにアップデートが来ていますね。

ブートローダーのアンロックだけであれば、platform-toolsだけ最新にしておけば問題ありません。チェックが多いほどアップデートにかかる時間がかなり長くなるので、不要なものはチェックを外していきます。


Android SDK Platform-toolsにチェックを入れた状態で「Install ○ Packages」をクリックします。

「Accept License」にチェックを入れます。

「Install」をクリックしてアップデートを開始します。

アップデートにはしばらく時間がかかるので気長に待ちましょう。

「Android Tools Updated」と表示されたら、Platform-toolsの最新版へのアップデートは完了です。「OK」をクリックします。

上記の手順でPlatform-toolsを最新版にアップデートすれば、最初はできなかったブートローダーのアンロックができるようになります。
Nexus5XとNexus6Pのブートローダーアンロック手順は以上です。
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