ですが、格安SIM(MVNO)でテザリングが使えるかどうかは、その格安SIMがドコモ回線を使っているのかau回線なのか、また格安SIMを挿す端末によっても大きく異なってきます。
そこでこのページでは、テザリングが利用できる端末をドコモ系格安SIMとau系格安SIMに分けてそれぞれまとめています。
ドコモ系格安SIM(MVNO)でテザリングできる端末・できない端末
まずは、ドコモ回線を利用する格安SIMでテザリングできる端末、できない端末について解説します。ドコモが販売するAndroid端末はほぼテザリングが使えない(例外あり)
ドコモが販売するAndroid OSを搭載した端末に関しては、一部を除いてテザリングはほとんど使えません。これは、ドコモのAndroid端末のAPN(アクセスポイント名)が特殊な仕様になっていることが原因です。
APNとは「アクセスポイント名」を意味し、端末に挿しているSIMの回線を使ってインターネットに接続する際に必ず必要な情報です。
APNはドコモやau、ソフトバンクごとだけでなく、同じドコモ回線やau回線を使った格安SIMでも異なっています(一部除く)。APN情報を間違って設定していると、インターネットに接続できません。
ドコモのAndroid端末で利用するAPNは、一般的には「spmode.ne.jp」です。ですが、ドコモのAndroid端末の多くは、テザリングをオンにするとAPNが「dcmtrg.ne.jp」に強制的に書き換えられます。
ドコモで契約したSIMは、「dcmtrg.ne.jp」に切り替わっても正常に認証されるためそのままテザリングが利用できます。対して、ドコモ回線を利用した格安SIMは「dcmtrg.ne.jp」に切り替わると認証時にエラーとなりテザリングがオンにできません。
これまでにドコモが販売してきたAndroid端末の多くは、上記のようにテザリング時にAPNを強制的に書き換える仕様になっています。
ですが、一部の端末ではこのAPNの書き換えが起きず、格安SIMでも問題なくテザリングができるものもあるので次に紹介します。
テザリングが利用できるドコモのAndroidスマホ一覧
ドコモが販売するAndroid端末で、ドコモ系格安SIMでもテザリングが利用できることが確認されている機種は以下の通りです。
機種名 | デザイン | 発売日 |
---|---|---|
arrows SV F-03H | 2016年7月6日 | |
Xperia X Performance SO-04H | 2016年6月24日 | |
AQUOS ZETA SH-04H | 2016年6月10日 | |
Galaxy S7 Edge SC-02H | 2016年5月19日 | |
Disney Mobile on docomo DM-01H | 2016年1月29日 | |
AQUOS Compact SH-02H | 2015年12月4日 | |
AQUOS ZETA SH-01H | 2015年10月29日 | |
Nexus 5X | 2015年10月22日 | |
arrows Fit F-01H | 2015年10月7日 | |
AQUOS EVER SH-04G | 2015年6月19日 | |
AQUOS ZETA SH-03G | 2015年5月28日 | |
P-02E テザリングできないという報告をいただきました。 |
ELUGA X P-02E以外の機種は、格安SIMのmineoで動作確認済みで、対応機種一覧にも記載されています。
古い機種ですが、P-02Eのsimロック解除でもテザリングできます。
テザリングをONにすると、APNが変更されますが、その後もう一度APNを選びなおせば、後から選んだAPNで接続できます。
P-02Eで格安SIMを使う予定でテザリングが必要な場合は、上記手順で試してみてください。
通りすがりさん、情報ありがとうございます!
2016/10/16追記
P-02Eでは上記手順でテザリングができない(APNを再度選べない)との報告をいただいたため、P-02Eでのテザリングはできない可能性が高いです。
Xperia X Performance SO-04Hは、mineoによるテザリングの動作確認はまだ取れていませんが、実際にSO-04H+ドコモ系格安SIMの組み合わせでテザリングが利用できることが複数報告されています。
2016/8/16
mineoでもXperia X Performance SO-04Hでテザリングできることが確認されました。
上記の表を見ていて気付いた人もいるかもしれませんが、現時点で発売されているドコモの2016年夏モデルはすべてドコモ系の格安SIMによるテザリングに対応しています。
今後発売される残りの夏モデルも、ドコモ系の格安SIMでテザリングが利用できる可能性は高そうなので、注目しておきたいと思います。
なお、ドコモのAndroid端末にドコモの格安SIMを挿して使う場合、端末のSIMロック解除は必要ありません。
ドコモのiPhoneは問題なくテザリングできる
2016年夏モデルよりも前に発売されたドコモのAndroid端末は、ドコモ系の格安SIMを挿してもほぼテザリングが利用できませんが、ドコモから販売されているiPhoneはドコモ系格安SIMでもテザリングが問題なく使えます。
ドコモのiPhoneをドコモ系格安SIMで使うために、SIMロックを解除する必要ももちろんありません。SIMを差し替えて「APN構成プロファイル」とよばれるファイルをインストールするだけでOKです。
ドコモのiPhoneを持っている人は、スムースにドコモ系格安SIMに乗り換えることができますね。
なお、iPhoneを格安SIMで運用する場合には注意点もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
格安SIM MVNOでiPhoneを使うための流れと設定・注意点総まとめ
SIMフリー版AndroidやiPhoneはドコモ系格安SIM(MVNO)でテザリングできる
ここまでは、ドコモが販売するAndroidやiPhoneのテザリング対応状況について見てきました。それでは、ドコモが販売しない、SIMフリーのAndroidスマホやiPhoneはドコモ系格安SIMでテザリングできるのでしょうか?
答えはできます。
SIMフリーのAndroid端末は、ドコモが販売するAndroid端末のようにテザリング時に別のAPNに強制的に切り替えられることはありません。
つまり、格安SIMのAPNのままでテザリング機能がオンになるため、トラブルなくテザリングを利用することができます。
iPhoneはドコモ版でもテザリングが使えますし、SIMフリー版でももちろん問題なく使えます。
au系格安SIM(MVNO)でテザリングできる端末・できない端末
ここからは、au回線を利用する格安SIMでテザリングできる端末、できない端末について解説します。auが販売するAndroid端末はテザリングできる
ドコモのAndroid端末の多くはドコモ系格安SIMでテザリングできませんでしたが、auのAndroid端末はほぼすべてau系格安SIMでテザリングが利用可能です。
ただし、auのAndroid端末をau系格安SIMで使うにはSIMロックの解除が必要な場合があるなど端末によって対応が異なるため注意が必要です。
詳しくはau系格安SIMの対応端末一覧で確認しましょう。
au版iPhoneはau系格安SIM(MVNO)でテザリングできない
ドコモのiPhoneはドコモ系の格安SIMでテザリングできます。
逆に、auのiPhoneはau系格安SIMでテザリング機能を使うことができません。これは、au版iPhoneをSIMロック解除しても結果は同じです。
SIMフリー版Androidはau系格安SIM(MVNO)でテザリングできるものの機種自体が少ない
SIMフリー版のAndroidスマホも、au系格安SIMでテザリングを利用することができます。
ただ注意しないといけないのは、au系格安SIMを挿して使えるSIMフリーのAndroidスマホ自体がかなり少ないという点です。
現時点でau系格安SIMで使えるのは、arrows M02とarrows M03などほんの一部の端末に限られています。
SIMフリースマホで格安SIMを使う予定なら、au系格安SIMではなく対応端末が非常に多いドコモ系格安SIMを選ぶのがおすすめです。
SIMフリー版iPhoneもau系格安SIM(MVNO)でテザリングできない
au系格安SIMでは、au版iPhoneでテザリングできないのは前述のとおりですが、初めからSIMロックがかかっていないSIMフリー版iPhoneに関してもテザリングは利用できません。
さらに、これはau版とSIMフリー版ともに当てはまることですが、au系格安SIMはiPhoneに挿すとSMSが使えなくなるなど動作が不安定になりがちなのもデメリットとなっています。
格安SIM(MVNO)+テザリングのまとめ
格安SIMでテザリングできる端末についてまとめます。ドコモ系・au系格安SIM(MVNO)がテザリング対応する端末種類の早見表
格安SIMというひとくくりの中でも、ドコモ系とau系によってテザリングが利用できる端末は異なるので分かりづらいですし混乱します。そこで、ドコモ系格安SIM・au系格安SIMでテザリングが使える端末の早見表を以下に掲載しておきます。この早見表で自身が格安SIMを挿す端末がテザリングが利用できるのかをざっくり確認してみてください。
ドコモ系 格安SIM | au系 格安SIM | |
---|---|---|
ドコモ版 Android | △ 一部のみ可 | × |
au版 Android | × | ○ |
SIMフリー Android | ○ | ○ |
ドコモ版 iPhone | ○ | × |
au版 iPhone | × | × |
SIMフリー iPhone | ○ | × |
注意すべきは、ドコモ系格安SIMはドコモのAndroidスマホの一部でしかテザリングができない点と、au系格安SIMはau版iPhoneだけでなくSIMフリーiPhoneでもテザリングができない点です。
格安SIM(MVNO)によってはテザリングの動作確認まで実施していないこともあるので注意
上記の早見表は、ドコモ系格安SIMとau系格安SIMの一般的なテザリングの対応状況です。ですが、格安SIMの中にはテザリングの動作確認まで実施していないものもあります。
当サイトが確認した限りでは、BIGLOBE SIMとNifMo、楽天モバイルはドコモから販売する端末でテザリングの動作確認を実施していません。
この3社は、ドコモの端末はテザリングできないと記載しています。
BIGLOBE SIM
NifMo
楽天モバイル
前述のとおり、実際はテザリングが使えるドコモの端末もあるのですが、「ドコモの端末はテザリングできない」とひとまとめにしているのは残念ですね。
逆に、ドコモの端末でもテザリングの利用可否をしっかりと確認しているのがmineoです。
格安SIMのテザリング対応状況を確認したい場合は、mineoの動作確認端末一覧を確認すれば間違いありません。
とはいえ、自身の端末がテザリングに対応しているかどうかは、検討中の格安SIMの動作確認端末一覧で必ず確認するようにしましょう。
また、自身の端末の動作確認が済んでいない格安SIMを契約した場合、万が一テザリングできなかったりその他でトラブルが起きてもサポートしてもらえないと思っておいたほうがいいです。
トラブルを自力で解決する前提ならどの格安SIMでも問題ありませんが、逆に格安SIMが初めてで不安という場合は、後々のトラブルを防ぐためにも自身の端末で動作確認が済んでいる格安SIMを選ぶことをおすすめします。
格安SIM(MVNO)用の端末をこれから購入するならSIMフリーがおすすめ
ドコモやauの端末は、Amazonやオークションで中古を購入することができますが、中古はメーカー保証がきかない、ドコモの端末はテザリングが利用できない場合があるなどデメリットも多いです。そのため、これから格安SIMと一緒に端末の購入も検討中ならSIMフリー端末を検討することをおすすめします。
最近のSIMフリー端末は、HUAWEI P9liteといった3万円ほどの低価格ながらデザインが良く動きもスムースで、使い勝手の良いものも増えてきています。
また、おサイフケータイやワンセグ、防水といった日本ならではの機能が必要であれば、arrows M03やSH-M03が新機種として発売されます。
最近発売されるSIMフリー端末は、価格帯から性能までバラエティに富んでいて、自身の使い方や希望に合う端末が見つかる可能性はかなり高いのでぜひ検討してみましょう。
格安SIM(MVNO)はau系よりもドコモ系のほうがおすすめ
格安SIMでテザリングする際にポイントになるのは端末だけではありません。選ぶ格安SIMによってもテザリングが利用できる・できないがあります。格安SIMを挿すのがauのスマホである場合はau系格安SIMしか選択肢がありませんが、ドコモやSIMフリースマホの場合は特にこだわりがなければドコモ系の格安SIMを選んでおいた方が無難です。
ドコモ系の格安SIMを選んでおけば、ドコモのAndroidではテザリングが使えない機種が多いものの、ドコモのiPhoneやSIMフリースマホではテザリングが問題なく利用できます。
また、ドコモ系格安SIMは多くの事業者が提供しており料金プランやサービスもたくさんあるので、自身に合ったSIMを厳選することができます。
大手が提供している主要なドコモ系の格安SIMの一覧と比較はこちらにまとめています。なお、このページで比較している格安SIMはほとんど実際に契約して使っています。
格安SIMの選び方も解説しているので、まだ格安SIMが決まっていない場合は参考にしてみてください。
格安SIMカード MVNO docomo系比較・おすすめランキング【8月29日】
ドコモ系格安SIMとau系格安SIMでテザリングが使える端末・条件まとめは以上です。