このページでは、ZenFone3の3Gと4Gデュアルスタンバイのメリットと、購入後の設定方法についてまとめています。
目次
ZenFone3のデュアルSIMは3Gの音声通話と4G(LTE)のデータ通信のDSDS(同時待ち受け/デュアルスタンバイ)に対応
ZenFone3は、台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2016にて発表されました。COMPUTEX TAIPEIでは、ZenFone3やZenFone3 Ultra、ZenFone3 Deluxの実機が展示されており、ZenFone3は日本/台湾/香港版を触ることができ、このZenFone3に2枚の4G(3G)のSIMを2つのSIMスロットに挿したところ、同時に両方のSIMが待ち受け状態になったとの報告が上がっていました。
なお、ZenFone3だけでなくZenFone3 Ultraも3Gと4Gの同時待ち受けに対応していることも複数報告されています。
そして、当サイトでもZenFone3を購入して試してみたところ、問題なく3Gと4Gを同時に待ち受けできたことを確認しました。
3G音声通話と4Gデータ通信の同時待ち受け対応のメリット
ZenFone3の3Gと4G同時待ち受け(デュアルスタンバイ)の設定方法の前に、デュアルスタンバイのメリットについてまとめておきます。音声通話用にドコモのSIM、データ通信用に格安SIMを挿して使える
3G音声通話と4Gデータ通信の同時待受け対応のメリットとしては、片方に音声通話SIMを、もう片方にデータ通信専用SIMを挿して使える点が挙げられます。現在、日本ではZenFone3と同じようにデュアルSIMスロット搭載のスマートフォンが多く販売されていますが、そのほとんどが片方に4G(3G)のSIMを挿すともう片方は2GのSIMしか同時に待ち受けできないというデメリットがあります。
日本ではすでに2Gサービスが提供されていないため、これまで日本で発売されたデュアルSIMスロット端末では2つのSIMスロットで同時待ち受けはできず、実質的にシングルスタンバイという状況でした。
ですが、ZenFone3は両スロットに4Gや3GのSIMを挿しても同時に待ち受けできるため、片方に音声通話SIM、もう片方にデータ通信SIMを挿して使うといったことが可能になります。
音声通話SIMとデータ通信SIMを分けて運用することで得られる効果は、月額料金の節約です。
具体的には、音声通話用にドコモのカケホーダイSIMを、データ通信用にドコモ系の格安SIMなどを挿すことで、ひと月にかかる料金をかなり安く抑えられます。
仕事用とプライベート用の電話を1つにまとめることができる
3Gと4Gの同時待ち受け対応の端末のメリットに、仕事用の電話とプライベート用の電話を1つにまとめることができる点があげられます。格安SIMはドコモなど大手キャリアよりも安い料金で大量のデータ通信できるのがメリットですが、逆にデメリットとして通話料金の高さが挙げられます。
一般的には、格安SIMの通話料金は30秒あたり20円、1分40円もかかります。
格安SIMの事業者は、音声通話サービスをドコモやauといった大手キャリアから卸してユーザーに提供しています。
ですが、現時点ではキャリアは格安SIMを提供するMVNOに対して電話かけ放題(通話定額)のプランを提供しておらず、30秒20円で提供しています。そのため、格安SIMには24時間かけ放題(通話定額)のプランが提供されていません。
ZenFone3のデュアルSIMスロットのうち片方にドコモの24時間かけ放題のカケホーダイプランを契約したSIMを使うことによって、通話時間を気にする必要なくかつ大量のデータ通信を安い料金で利用できるようになります。
月々の料金がどの程度安くなるかについては、こちらのページで詳しく解説しています。また、デュアルスタンバイのその他のメリットもまとめているので参考にしてみてください。
シングルスタンバイ・デュアルスタンバイ・デュアルアクティブの違い
公式サイトのスペックには同時待ち受けはできないとの記載あり
上記の通り、ZenFone3の日本版は3G音声通話と4Gデータ通信の同時待ち受けに対応していることが報告されていますが、公式サイトのスペックシートでは3Gと4Gの同時待ち受けはできないと記載されています。そのため、ZenFone3が仮に日本で発売されることになったとしても、同時待ち受けの機能がふさがれてしまう可能性もあります。
当サイトでデュアルスタンバイの設定方法を解説するのは、日本版と対応周波数などが全く同じの台湾版となります。
日本国内で4G+4Gや4G+3G、3G+3Gのデュアルスタンバイは利用できない?
この記事を公開後、日本国内で4G+4Gや4G+3G、3G+3Gのデュアルスタンバイは利用できないというご指摘をいただきました。@Android_Lover ソースとなる総務省令が見つからなかったのですが端的に言うと周波数の重なる複数の電波を受信する装置に関しては総務省の許可がないと運用してはならないし運用の前提となる技術検査にも通らないということです。古い記憶ですしソースもあやふやなので無視して下さい
— AMDer@Zenマダー? (@AMDer_zen) 2016年6月5日
@Android_Lover ですので日本で販売される場合にはデュアルスタンバイは機能をつぶされデュアルスタンバイ可能な端末を輸入し日本で使うと違法ということです。実際に摘発された外国人もいます。LTE(4G)or3Gと2Gなら大丈夫ですが4Gどうしや4G+3Gはダメです。
— AMDer@Zenマダー? (@AMDer_zen) 2016年6月5日
詳細は上記ののツイートの通りで、ポイントは「周波数の重なる複数の電波を受信する装置に関しては総務省の許可がないと運用してはならないし運用の前提となる技術検査にも通らない」という点です。
ソースとなる資料を探してみたものの見つけることはできませんでしたが、現在もこれが適用されるならZenFone3の3Gと4Gのデュアルスタンバイは日本発売時に無効化されることとなりそうです。
現時点では、実際に日本で発売されるZenFone3を使ってみないと分からない状況です。
2016/9/27追記
ZenFone3の日本版も4G+3Gのデュアルスタンバイに対応することが分かりました。台湾版と同じ設定で同時待ち受けが利用可能です。
ZenFone3で3G+4Gの同時待受(デュアルスタンバイ)を利用するための設定方法
ここからは、ZenFone3で3G+4Gの同時待受(デュアルスタンバイ)を利用するための設定方法を解説します。同時待ち受けで使いたい2枚のSIMをZenFone3に挿す
まずは、同時待ち受けで使う2枚のSIMをZenFone3に挿します。ここでは、SIM1にドコモのカケホーダイプランSIMを、SIM2にmineo Dプラン(ドコモ回線)のデータ通信専用SIMを挿します。
ZenFone3の電源を切り、SIM抜きピンをZenFone3の左側にあるSIMトレーの穴に押し込みます。
すると、ZenFone3のSIMトレーが飛び出てくるので引き抜きます。
SIMトレーを裏返して、「SIM1」「SIM2」と表示されている部分にSIMを乗せます。ZenFone3のSIMサイズは、SIM1がmicroSIMでSIM2がnanoSIMとなっているので注意しましょう。
SIMを乗せたらこのようになります。私はSIM2のmicroSIM部分にnanoSIMをmicroSIMサイズに変換するアダプタ(JAPAEMO)を使っていますが、何度かSIMトレーを抜き差ししても中で引っかかったりすることなく使えています。
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SIMをSIMトレーに乗せたら、ZenFone3に戻し電源を入れます。
音声通話とSMS、データ通信を利用するSIMを選ぶ
電源を入れると、ZenFone3のアンテナは立つもののインターネット接続はできない場合が多いはずです。ZenFone3でインターネットをするためには、ステータスバーのアンテナアイコンの左横に「4G」や「3G」のアイコンが表示されている必要があります。「4G」や「3G」のアイコンを表示させてインターネット接続するための設定をしていきます。ステータスバーを下に降ろして右上の設定アイコンをタップします。
「デュアルSIMカード設定」をタップして「OK」をタップします。
「データサービスネットワーク」をタップして、インターネット接続するSIMを選びます。ここではデータ通信専用のmineoを挿しているSIM2をタップします。
優先ネットワークを変更するか尋ねてくるので「OK」をタップします。
データ通信に使うSIMがSIM2になったことを確認して「OK」をタップします。
次に「音声呼び出し」をタップして電話をかける場合にどちらのSIMを優先して使うかを設定します。今回のように、片方は音声通話SIMでもう片方がデータ通信SIMの場合は、音声通話SIMを乗せているSIMスロットを選んでおいて問題ありません。逆に、両方とも音声通話SIMを乗せている場合は、電話をかける際にどちらから発信するか選べるように「常に確認する」を選びましょう。
ちなみに、「常に確認する」を選んだ場合は、電話をかける際にどちらのSIMから発信するか毎回尋ねてきます。また、「このSIMを常に通話に使用する」にチェックを入れてSIMを選ぶと、今後はそのSIMからのみ発信されるようになります。
SMSメッセージもどちらのSIMを優先して使うか決めておきます。私の場合は、ドコモのカケホーダイSIMでSMSをやりとりするのでSIM1を選びました。
音声通話とSMS、データ通信で優先するSIMが間違っていないことを確認したら、次に進みます。
データ通信用のSIMのAPNを設定する
データ通信用のSIMでインターネット接続するには、APNが設定されている必要があります。ZenFone3に初めから登録されているAPNであれば、そのAPNを選ぶだけですぐにインターネットを利用できますが、登録されていない場合はAPNを新しく作る必要があります。
mineoはZenFone3にAPNが登録されていないため、新規で登録する手順も含めて解説します。
設定の「もっと見る」をタップして「モバイルネットワーク」をタップします。
mineoのSIMを挿しているのはSIM2です。試しにSIM1のアクセスポイント名を開いてみると、そもそもAPNが選べなくなっています。
SIM2タブをタップして「アクセスポイント名」をタップするとAPNが一覧で表示されます。APNを新規で作成するには右上の「+」アイコンをタップします。
「名前」をタップして分かりやすい名前をつけます。ここでは「mineo」としました。名前を入力したら「OK」をタップします。
「APN」をタップして「mineo-d.jp」と入力し「OK」をタップします。
「ユーザー名」をタップして「mineo@k-opti.com」と入力し「OK」をタップします。
「パスワード」をタップして「mineo」と入力し「OK」をタップします。
「認証タイプ」をタップして「CHAP」を選び「OK」をタップします。
上記の入力が終わったら、右上のメニューアイコンをタップして「保存」をタップします。
APN一覧から今作ったmineoのAPNにチェックを入れると、アンテナアイコンの左側に「4G」や「3G」と表示されインターネットに接続されます。
ZenFone3のデュアルスタンバイ設定方法は以上です。
ZenFone3でデュアルスタンバイを試してみた
ZenFone3のデュアルスタンバイの設定が完了して、実際に試してみました。ブラウザで通信しながらでも電話が着信できました。
着信画面は全画面ではなく上部に小さく表示されます。
まとめ
ZenFone3のデュアルSIMスロットのデュアルスタンバイ仕様がまた、3G+4Gのデュアルスタンバイ対応のSIMフリースマホとしてMoto G4 Plusが日本で発売されたため、
2016/9/27追記
日本版もデュアルスタンバイで利用できます。
デュアルスタンバイを活用することより、キャリアのかけ放題SIMと格安SIMのデータ通信専用SIMで安く利用できるようになるメリットはかなり大きいです。
このページではmineoで設定しましたが、データ通信用のSIMに定額無制限プランとして提供されているDTI SIMの「ネットつかい放題」やU-mobileの「U-mobile Premium」を使えば、通信量をほとんど気にせず利用できます。
なお、デュアルSIMにはデュアルスタンバイ以外にもシングルスタンバイとデュアルアクティブがあります。
それぞれの違いとデュアルスタンバイのメリットについてはこちらに詳しくまとめています。
シングルスタンバイ・デュアルスタンバイ・デュアルアクティブの違い
ZenFone3を含む、3G+4Gのデュアルスタンバイ対応SIMフリースマホ一覧はこちら。
デュアルSIMデュアルスタンバイ(同時待ち受け)SIMフリースマホまとめ
ZenFone3の3G+4G同時待ち受け(デュアルスタンバイ)設定方法は以上です。
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